~いざというとき慌てないために~
知っておきたい医学的知識
著者
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第1回 高齢者の病気の特徴と日ごろの観察のポイント① |
コラムをご覧のみなさま、はじめまして。
この度、介護に必要な「基本的な医学知識」や「観察のポイント」をお伝したいと思っております。
有限会社ファイブアローズの岩下馨歌里です。
どうぞよろしくお願いいたします。
第1回目は、高齢者の病気の特徴と日ごろの観察のポイントです。
様々な病気をお持ちの高齢者が増えていますが、今回は高齢者特有の病気や症状をまとめてみました。
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―高齢者特有の病気・症状―
【認知障害】 認知症・せん妄・抑うつ
【移動能力障害】 寝たきり・廃用性症候群(生活不活発病)・転倒・骨折
【排泄機能障害】 排尿障害・便秘・尿便失禁
【感覚障害】 視覚障害・聴覚障害・味覚障害
【栄養摂取障害】 低栄養・脱水
【その他】 めまい・失神・褥創・不眠など |
認知症は、みなさまよくご存知ですが、症状は常に変化し、特に介護を提供する人の
対応しだいで症状が安定したり、不安定になったりすることも多いのが認知症の特徴です。
介護をする人も含めた環境がとても大事になってきます。アルツハイマー型認知症や
脳血管型認知症など分類すると数多くの種類があります。
せん妄は、認知症と間違いやすいのですが、入院やショートステイ、引越しなどの住環境の
変化などで一気に認知状態が悪化した場合は、せん妄を疑います。せん妄の場合は、
対応が適切であれば一過性ですぐに回復することが多いのも特徴の一つです。
高齢者にもうつ状態になりやすい方が多いので、認知症なのか抑うつ状態なのかを
注意深く観察することが必要です。
生活不活発病といわれる廃用性症候群も高齢者に多い症状です。
入院やショートステイを利用することで、寝たきりや座りきりになってしまう高齢者がまだまだ日本中に
多く存在します。働く職員側の理由で生活が不活発となり、寝たきりや座りきりが増えないような工夫を
することが重要です。
転倒や骨折も高齢者に多くみられます。
高齢者の歩行機能を注意深く観察し、床や室内が転びやすい環境になっていないかを配慮することが
重要です。ご自宅の清掃や整理整頓が不十分なために、転倒しやすい部屋となっている場合もあります。
加齢とともに白内障や緑内障などによる視覚障害、難聴のために聞こえが悪くなる方も多くいらっしゃいます。
耳の清潔が保てていないために難聴の場合も多いので、清潔ケアにも注意を払いましょう。
味覚障害は、案外見逃しやすいのですが、血中の亜鉛が不足すると味覚に障害が出て、
おいしく食事をすることができなくなります。
またマウスケアの不足によって、味覚に異常が出ることもあるので、マウスケアも重要となります。
さらには、痩せすぎの高齢者も多くみられます。マウスケアが不十分なため、また義歯がないために、
十分に食べることができず痩せている方も多いのです。
ひとり暮らしのため食事が満足に準備できないこともあります。
そして、いまの時期は脱水に要注意です。水分摂取を上手に進めていかないと、トイレを気にしたり、
喉が乾かないという理由であえて水分を少なくしている高齢者が、まだまだ日本中にいらっしゃるのです。
まだ残暑が厳しい日々が続きますので、脱水で入院する高齢者をゼロにするための高品質な介護を
目指しましょう。
略歴
有限会社ファイブアローズ取締役。
看護師、介護支援専門員、茨城県介護保険認定調査員、日本医師会医療安全推進者。
(前)関東逓信病院看護部、医療法人社団愛優会副理事長兼任などを経て、平成16年9月有限会社ファイブアローズを設立。現在、「あおぞらデイサービス水戸」などを運営。利用者を元気にするための要介護度改善ケアに関連した介護・看護の講演・セミナー、執筆活動を積極的に行っている。
【主な著書】
『基礎からわかるクリティカルパス作成・活用ガイド』日総研出版(1999年)
『要介護度改善ケアガイドブック』日総研出版(2003年)
【ブログ】
ナース岩下のあおぞら介護日記
http://aozora-felice.blog.ocn.ne.jp/nsiwashita