~いざというとき慌てないために~

知っておきたい医学知識

 
著者        
 

岩下さん掲載画像.jpg岩下馨歌里(いわした ゆかり)         

 

高齢者に多い病気の知識、異常の早期発見、緊急時にあわてないための対処法、薬の知識等、介護リーダーが自身で対応する場合、またはスタッフに指示を出すうえで知っておかなければならない「基本的な医学知識」や「観察のポイント」をお伝えします。

 

 

 

最終回 気をつけたい冬の温度差② 
~低温火傷~
 
今回でこのコラムも最終回となりました。お読みいただいたみなさま、ありがとうございました。
さて、最終回のテーマは低温火傷です。
以前に訪問看護師として働いていた頃、冬の寒い時期になるとこたつや湯たんぽ、カイロでの低温
火傷の処置の依頼が急に増えたことを思い出します。
ひとり暮らしの高齢者が、低い温度だから大丈夫だと思って、足を近づけ過ぎてしまい気づかない
間に、皮膚の深い部分まで火傷が起きてしまうのです。
 

ぷらすクローバー画像のサムネール画像のサムネール画像低温火傷はほどよい温かさで起こる

 
低温火傷は、触ってもほどよいほどの温かさで、まさか火傷をするなどとは思えない程度の温度の
ものに長時間触れることで起きる火傷のことです。
44度で3-4時間触れ続けることで起こると言われています。
皮膚の表面はそんなにひどく火傷をしたようには見えないのですが、奥の方まで皮膚が障害を起こ
し、治りにくい場合があります。
 

ぷらすクローバー画像のサムネール画像のサムネール画像火傷していることに気がつかない!?―糖尿病の方は特に注意!―

 
高齢になると、熱い冷たい等に対する感覚が若い時と比べると鈍ってきます。
さらには、糖尿病の方で知覚神経に障害を持っている場合には、ますます熱さや痛みなどを感じる
ことが難しくなるため、火傷をしているということに全く気づかない人も多いのです。
訪問看護の依頼をされた高齢者の多くが、かなりひどい火傷の状態になるまで、「全く気づきませ
でした。」とおっしゃいます。視力が悪い方も多いので、ますます気づけないのです。
 

ぷらすクローバー画像のサムネール画像のサムネール画像電気あんかや湯たんぽは、タオルでくるんで使いましょう

 
低温火傷の予防策としては、就寝中に使用する電気あんかや湯たんぽは、必ず厚手の布やタオルな
でくるんで使用しましょう。足に直接触れないような位置に置きましょう。
ファンヒーターのそばでうたた寝をするのも危険です。
こたつや電気カーペットの上で寝るのも低温火傷になりやすいので注意が必要です。
カイロも直接肌に触れないように肌着の上から使用するなどの工夫が必要です。
 

ぷらすクローバー画像のサムネール画像のサムネール画像低温火傷をしてしまったら、水道の水で冷やして、早めに皮膚科受診を

 
万が一、低温火傷をしてしまったら、水道の水を流しながら、冷やします。
そして、できるだけ早く皮膚科の受診をしましょう。 表面は軽そうに見えて、結構皮膚の深い部分
まで火傷をしていることが多いので、皮膚科受診はとても大切なのです。
今年も寒い冬になりそうですので、高齢者のみなさまの低温火傷には十分気をつけてください。

 

 

第1回 高齢者の病気の特徴と日ごろの観察ポイント

第2回 高齢者の病気の特徴と日ごろの観察ポイント

第3回 バイタルサイン(体温、血圧、脈拍等)の見方

第4回 緊急時の対応

第5回 緊急時の対応

第6回 薬の知識

第7回 薬の知識②

第8回 インフルエンザ対策

第9回 ノロウイルス対策

10回 気をつけたい冬の温度差①

 

 

略歴                                               

 

有限会社ファイブアローズ取締役。

看護師、介護支援専門員、茨城県介護保険認定調査員、日本医師会医療安全推進者。

(前)関東逓信病院看護部、医療法人社団愛優会副理事長兼任などを経て、平成169月有限会社ファイブアローズを設立。現在、「あおぞらデイサービス水戸」などを運営。利用者を元気にするための要介護度改善ケアに関連した介護・看護の講演・セミナー、執筆活動を積極的に行っている。

 

【主な著書】

  『基礎からわかるクリティカルパス作成・活用ガイド』日総研出版(1999年)

  『要介護度改善ケアガイドブック』日総研出版(2003年)

 

【ブログ】

   ナース岩下のあおぞら介護日記

   http://aozora-felice.blog.ocn.ne.jp/nsiwashita