自分が変われば、周りが変わる!

アサーション講座

 
著者        
 

morita1.jpg森田 汐生(もりた しおむ)         

 

「アサーティブネス(アサーション)=“自分の気持ちや要望を、率直に、誠実に、対等に伝えるコミュニケーション”」は、 お互いを尊重しあいながら率直にものが言える風通しのよい職場をつくるヒントです。 介護現場での事例を踏まえて、アサーティブなコミュニケーションの活用方法を解説します。

 

 

第1回 アサーティブネス(アサーション)とは?

 

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 コミュニケーションは、介護の現場の基本となるものです。利用者の方や家族に対してよりよい介護サービスを提供していくためには、施設内で職員間のコミュニケーションがしっかりととれていることが不可欠です。  例えば、みなさんは、こんなことはできているでしょうか。

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利用者さんとのかかわり方や介護の知識はあっても、一緒に仕事をするスタッフに「頼めない」「注意が難しい」「断れない」、そして「指導の仕方に困る」ことは、現場のスタッフの多くが抱えている悩みです。

 人間関係でストレスを抱えたり、仕事の境界線を説明することができずに燃え尽きてしまったりという前に、一人ひとりがコミュニケーションをきちんと取れるようになることで、こうした問題を解決できるようになりたいものです。  

 今回から、自己表現のスキルとしての「アサーティブネス」について連載でわかりやすくご説明していきます。現場でのスタッフ間のコミュニケーションのヒントとしていただければと思います。

 

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 「アサーティブネス」とは何かについて、まずは定義をしておきましょう。

 「アサーティブネス(アサーション)」とは、自分の要望や意見を率直に、誠実に、対等に伝えるコミュニケーションです。攻撃的になることも受身的になることもなく、自分も相手も尊重して“適切に自己表現する力”のことなのです。

 1950年代に心理療法の一つとしてアメリカで形作られ、60年代から70年代のアメリカでの人権擁護運動や女性解放運動を土台として発達してきました。日本では1970年代から個人のコミュニケーションのスキルの一つとして活用されています。

 

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 アサーティブに自己表現ができたら、どんなことを伝えることができるのでしょうか。

 例えば、

    ・ 自分の感情を(感情的になることなく)適切に表現することができる   

    ・ 率直にものを頼むことができる   

    ・ できないこと・無理なことには境界線を引いて「ノー」とはっきり伝えられる   

    ・ 人をほめることができる・ほめ言葉を受け取ることができる   

    ・ 正当な批判は謙虚に受け入れ、不当な批判には攻撃的でなく「違う」と言える   

    ・ 相手を尊重しながら建設的に「ダメ」を伝えられる   

    ・ 自分自身の心と体のケアができる  

こうしたことを、次回から具体的な事例をもとにご説明していきたいと思います。

 

第2回 自分のコミュニケーションパターンを知っていますか?

第3回 率直に頼む・依頼する

第4回 きっぱりと「NO」と言う

第5回 ほめ上手・ほめられ上手になる

第6回 アサーティブであるための心構え

第7回 批判された時の対処

第8回 批判の言葉の受け止め方

第9回 相手を尊重しながら注意する(その1)

第10回 相手を尊重しながら注意する(その2)

第11回 私たちには自己表現する「権利」がある

最終回 自己信頼を築く

 

 

略歴                                                           
 
特定非営利活動法人アサーティブジャパン 代表理事。
岡山県生まれ。一橋大学社会学部卒業。大学在学中にデンマークへ留学し、その後イギリス滞在中に
アサーティブネスに出会う。大学卒業後、日本社会事業大学研究科で社会福祉士の資格を取得。
1991~94年、イギリスの地域精神医療団体でソーシャルワーカーとして勤務した。
その間イギリスでトレーナー養成講座を受け、アサーティブネス・トレーナーの資格を取得。
帰国後、1995年より国内でアサーティブトレーニングの講座を開始、2004年にアサーティブジャパン
としてNPO法人化した。全国各地で、アサーティブネスに関する講演・研修を多数実施している。
 
【主な著書】
『気持ちが伝わる話しかた』主婦の友社、2009年
『支援者のためのアサーティブコミュニケーション』アサーティブジャパン編、2009年
 
アサーティブジャパンHP  http://www.assertive.org/