利用者の権利を守る法律知識

 
監修        
 

ひすい総合法律事務所 弁護士 原口 健(はらぐち けん)         

 

 高齢者の権利を守るために高齢者虐待防止法や成年後見制度などの法整備がなされています。ただ、法律が充実していても活用方法を押さえておかなければ、せっかくの法律も意味がありません。

 このコラムでは、利用者の権利を守る法律知識と題して、現場を任されるリーダーにも知っておいてほしい法律知識を解説していきます。より深い法律知識については、弊社書籍『高齢者の権利擁護-制度と契約の実務-』でご覧いただけます。

 
第8回 消費者被害事例
”クーリング・オフ”具体的にどうすればいいの?~その1~

 

このコラムでも、これまでクーリング・オフについて紹介してきました。ただ、「8日以内にクーリング・オフ」と口で言うのは簡単ですが、具体的にどういったことをすれば、契約解除できるのか?という疑問があると思います。前回コラムの事例をベースとして、実際にクーリング・オフ書面の書き方を紹介していきたいと思います。

【事例のおさらい】

 私は訪問介護のスタッフです。訪問介護先の利用者(▲●A子さん)は、自宅で一人暮らしをしています。先日いつものように利用者宅を訪問したところ、見慣れない健康器具(商品名:楽ちん健康XX、18万円)が玄関においてあることに気づきました。聞いてみると、2週間前に、近隣の人達と一緒に近所の■▲集会所に集められて、すばらしい効能があるというセールストークに乗せられて契約してしまったときのものだということです。

●CASE1 クーリング・オフ期間内(契約から8日以内)のとき

一例として、下記のような通知書になりますので、ご参考ください。

<通知書①>

 通知書

 

〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目○番○号

①株式会社●▲健康器具販売御中

②担当者 甲野太郎 様

 私は、去る③平成〇〇年〇〇月〇〇日に■▲集会所で、価格18万円⑤楽ちん健康XXの購入契約を結びましたが、クーリング・オフ期間内である本日、この契約を解除させて頂きます。つきましては、支払い済みの18万円を返金してください。また、商品の引き取りをお願いします。

                         ⑥平成〇〇年〇〇月〇〇日

                         ⑦〇〇県〇〇市〇〇町〇〇丁目○番○号  ▲●A子 印

通知書内では、ハイライトで示しましたが、下の項目の記入漏れが内容に気をつけましょう!

①販売会社名

②担当者名(わからなければ必須ではありません)

③契約年月日(書面受領日)

④商品価格

⑤商品名

⑥通知書を記載した日

⑦契約者住所・氏名

 

 次回はクーリング・オフ期間を過ぎてしまったときの通知書の書き方を紹介します。

 

『高齢者の権利擁護-制度と契約の実務-』について                                

 高齢者をめぐる契約に関する制度と成年後見制度についてトータルに解説した書。介護保険制度におけるサービスについては、モデル契約書を提示し、条文内容とポイントを詳説。消費者契約、金銭管理、介護保険以外の高齢者向けサービス契約、遺言等の各種契約に関して、具体的事例に基づいて解説。

◆詳細についてはコチラ