利用者の権利を守る法律知識

 
監修        
 

ひすい総合法律事務所 弁護士 原口 健(はらぐち けん)         

 

 高齢者の権利を守るために高齢者虐待防止法や成年後見制度などの法整備がなされています。ただ、法律が充実していても活用方法を押さえておかなければ、せっかくの法律も意味がありません。

 このコラムでは、利用者の権利を守る法律知識と題して、現場を任されるリーダーにも知っておいてほしい法律知識を解説していきます。より深い法律知識については、弊社書籍『高齢者の権利擁護-制度と契約の実務-』でご覧いただけます。

 

 

第5回 高齢者をねらった悪質商法の種類
 

 悪質な商取引では、業者が相手方の「わからない」「難しい」という反応につけ込んで、契約をさせようとすることが多く見られます。特に高齢者はターゲットになりやすく、被害も大きくなる傾向にあります。しかも、高齢者自身が取引で損をしてしまっていることを十分に認識できなかったり、契約後も被害にあったことに気づかなかったりと、被害を発見しにくいのも特徴です。

 実際に消費生活センター等での相談も高齢者本人ではなく、周囲の家族などからの申告によるものが多くなっています。周囲が早めに気づいて、被害を拡大させないことが重要になります。

 

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 以下に紹介する悪質商法は、「特定商取引法」に定められたクーリング・オフで救済され得るものですので、どのような方法でアプローチしてくるか把握しておきましょう。

 

①原野商法

この土地は、将来値上がりしますよ。」といかにも将来確実に値上がりするかのように装い、実際の土地価格より何十倍、何百倍の値段で売りつける商法。

 

②健康食品販売

 効能効果を誇大に宣伝して、医薬品でもなく、効果も確かではない食品を売りつけるもの。通信販売の形をとって、高い代金で売りつけることが多い商法。

 

③催眠商法

 目的を隠して、会場に客を集める。なかなか帰れない状況をつくり、商品の無料販売や廉価販売を行い、巧みなセールストークで「買わなくてはならない」という雰囲気を作る。 参加者に冷静な判断力を失くさせ、無用に思われる高級羽毛布団や健康器具などを購入させる商法。

 

④講習・展示会商法

 講習会や展示会に出向いたところを狙って、呉服等の商品を熱心に売り込み、契約しないと帰れないような雰囲気をつくって、必要のない高価な商品をクレジット等で購入させる商法。

 

⑤マルチ商法

 高額商品購入や入会金支払を条件として「マルチ組織」に加入させ、他人を紹介することで多額の謝礼金を発生させ、ピラミッド状組織の成長・拡大を図ろうとする商法。

 

※⑥便乗商法(3/22(火)編集部が追加しました)

 便乗商法(びんじょうしょうほう)とは話題になった人物や商品、あるいは大規模なイベント事件が起こった事に乗じて利益を得ようとする商法。「あやかり商法」と呼ぶこともある。特に大規模災害が起こった時に情報が乏しい者を対象として多発するとして、自治体などは注意を呼び掛けている。最近では地上デジタルテレビジョン放送に関する便乗商法が頻繁に行われている。(wikipediaより抜粋)

 ニュース等で報道もされていますが、東日本大震災に便乗した義援金詐欺や「被災した家屋の修理契約を当社と結べば、行政から補助金が出る」といった地震災害に便乗した悪質商法が横行しています。国民生活センター(事例はこちら)に事例が紹介されていますので、ご確認のうえくれぐれもご注意ください。

 

『高齢者の権利擁護-制度と契約の実務-』について                                

 高齢者をめぐる契約に関する制度と成年後見制度についてトータルに解説した書。介護保険制度におけるサービスについては、モデル契約書を提示し、条文内容とポイントを詳説。消費者契約、金銭管理、介護保険以外の高齢者向けサービス契約、遺言等の各種契約に関して、具体的事例に基づいて解説。

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